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 「ドイツファシズムの理論」。1931年7月、ヒルファーディング編集の月刊誌『社会』に掲載。

ドイツ革命は押しとどめられ、スパルタクス団のカール・リープクネヒトやローザ・ルクセンブルグは殺されてしまった。そして中途半端なワイマール共和国という形に固定された。そしてまた戦争が迫っている。

31年。30年にはナチスが国政選挙で第2党に躍り出て、33年1月にヒトラーが首相に就任している。そうした歴史の流れの分岐点にたって、ベンヤミンが書いている。
第一次世界大戦があり、ロシア革命があった。第一世界大戦後の危機から相対的安定期へいったんは移行するが、29年、ウォール街の株式大暴落から世界恐慌へ突入。さらに33年には世界全体がブロック化していく。それは直接に世界戦争への転換点でもあった。

こうして戦争に向かって軋みをあげて歴史がねじれていくその劈頭とも言うべき時期だ。日本では柳条湖事件があり、中国侵略への一つのステップを踏み出す。

まだナチスという言葉は登場しない。イタリアのムッソリーニが先行し、ファシズムという言葉はあった。
この時代、ファシズムは、社会主義の一変種だと考えている人々も少なくなかった時代かもしれない。もうそれは終わっているかもしれない。

ベンヤミンの文章からは、戦争が迫っている匂いがする。
しかしそれに対して、ベンヤミンは次のように述べている。

「この子どもたちは、次の戦争を魔術のなだれ込みと考えることを拒否する瞬間に、その冷静さを証拠立てるだろう。むしろ彼らは、戦争のなかに日常の像を発見し、ほかならぬこの発見を糸口に、戦争の内乱への転化をなしとげるだろう――あの暗黒の古い魔法に対抗しうる唯一のものであるマルクシズムの手品を、展開することによって。」(p79)

 
戦争の内乱への転化…
これはマルクスの思想に直接に根ざすものではなく、レーニンに直接的な淵源を持つ言葉だ。
ベンヤミンはマルクスの思想に影響を受けたとか受けていないとかのレベルではなく、はっきりとロシア革命とレーニンの思想的影響をうけている。端的に言ってプロレタリア革命を志向している。この点についての議論があまりにも簡単に済ませられていないか。彼は「帝国主義戦争を内乱へ!」と言っている。これはなかなか公然と打ち出すためには覚悟が必要な命題だろう。

ベンヤミンとマルクスの思想とのかかわりについては、これから考えていこうとは思う。しかし、今日もベンヤミンの思想に惹かれ、その現代的意義を考えていく人たちは少なくない。であれば、そこに明示的に含まれているベンヤミンのマルクス主義についてもその意味を考えなくてはならないだろう。しかも、それははっきりとレーニンの存在を含めて検討しなくてはならないはずだ。
ベンヤミンとマルクスの関係は折にふれて議論が立てられているようだが、レーニンとのかかわりはどうなのだろう。これをただの政治的外皮とすることは難しいのではないか。もっと彼の思想に強くレーニンの名前と存在は刻み込まれているのではないか。「暴力批判論」の内容にしてもマルクスだけではなく、ローザ・ルクセンブルグやレーニンの存在をはっきりと措定したほうが納得出来るように思う。まぁもっともローザはロシア革命について批判的な姿勢を示してはいるが。



「ドイツファシズムの理論」(ベンヤミン著作集1巻)

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