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ベンヤミン 「歴史哲学テーゼ」

わたしの翼は飛びたつ用意ができている。
わたしは帰れれば帰りたい、
たとえ生涯のあいだ、ここにいようと
わたしは幸福になれぬだろう。
  
ゲルハルト・ショーレム
『天使のあいさつ』

 
「新しい天使」と題されているクレーの絵がある。それにはひとりの天使が描かれており、天使は、それが凝視している何ものかから、いまにも遠ざかろうとしているところのように見える。かれの眼は大きく見ひらかれていて、口はひらき、翼は拡げられている。歴史の天使はこのような様子であるに違いない。かれは顔を過去に向けている。ぼくらであれば事件の連鎖を眺めるところに、かれはただカタストローフのみを見る。そのカタストローフは、休みなく廃墟の上に廃墟を積みかさねて、それを彼の鼻っさきへつきつけてくるのだ。たぶんかれはそこに滞留して、死者たちを目覚めさせ、破壊されたものを寄せあつめて組みたてたいのだろうが、しかし楽園から吹いてくる強風がかれの翼にはらまれるばかりか、その風のいきおいがはげしいので、かれはもう翼を閉じることができない。強風は天使を、かれが背中を向けている未来のほうへ、不可抗的に運んでゆく。その一方でかれの眼前の廃墟の山が、天に届くばかりに高くなる。ぼくらが進歩と呼ぶものは、<この>強風なのだ。

(ベンヤミン著作集1巻 p119~120 晶文社
『ボードレール』 岩波文庫 p335     
いずれも野村修訳)
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