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野村修の『ベンヤミンの生涯』を読み始めている。最初の40ページほどのところまで。その覚書。

1) ショーレムのベンヤミンに対する言葉

1919年。「当時ベンヤミンは政治活動を拒否していた。ハンガリアのレーテ共和国についても、彼の心を動かしたのはブロッホの親友ルカーチの運命だけだった」(p27)
これは正しいか?事実か? 何かバイアスがかかっていそうな気がする。
もしそうであるならばドイツ革命の進行についてベンヤミンはどのような立場だったのか。
ショーレムの言う「政治活動の拒否」が何によるのか。またどういう内容なのか。要検討。ただ、少なくともショーレムの言が正しいとしても、「政治活動の拒否」であって、政治の拒否とは述べていない。ベンヤミンは極めて政治的であるとも思える。

2) クレーの「天使」にクレー自身がこめた何か、と、ベンヤミンがそこに読み取ったこととの検討が35ページあたりでなされているが、これは意味のある検討なのだろうか。
問題はベンヤミンがそこに見たことであって、クレーの画想との比較ではないのではないか。ましてやそれが整合するかどうかなどいったい何の意味があるというのだろうか。

3) ショーレムの兄はドイツ共産党左派(と野村は表現しているが)の中心人物になるらしいが、15年にはすでにスパルタクス・ブントのメンバーだったようだ。
このとき、ベンヤミンは23歳で、前年の14年には自由学生連合のベルリンの議長となっている。自由学生連合とスパルタクス・ブント、あるいはベンヤミンとの組織的、思想的関係はどこかで捉えておかなくてはいけない。間違いなくベンヤミンは例えばスパルタクス・ブントの機関紙などを読んでいたと思う。ローザ・ルクセンブルグの著作は読んでいたようだ。であるとすれば、そのあたりを媒介にレーニンの主張も当然知っていたと思われるし、「第二インターの崩壊」などは直接、読んでいたのではないだろうか? そうしたことを知らずにベルリンという最大都市の「自由学生連合」の議長職は務まらないように思える。

【追記】
レーニンは『第二インタナショナルの崩壊』は直接にカウツキーを軸にしたドイツ社会民主党批判。第一次大戦に最して、祖国防衛に走ったドイツ社会民主党などの勢力に対して、祖国の敗北を、という立場を対置した。第二インターナショナルの支部でもある各国の社会民主主義勢力がのきなみ祖国防衛・祖国擁護に転換したとき、インターナショナルがかかげていたプロレタリア国際主義は崩壊した。1914年に発表。
野村修がまとめている年表(『ベンヤミンの生涯』の各章の冒頭におかれている)をみると、1915年に、それまでベンヤミンが強く関与していた自由学校共同体を主導するヴィネケンと決裂している。原因は、ヴィネケンが第一次大戦に対して、祖国ドイツの防衛を叫び始めたからのようだ。
そうであれば、ベンヤミンは、一時期は「ベンヤミンの師」(野村)とも言われた人物との関係を「第一次大戦とドイツ国家のありかた」とでもいうべき極めて政治的な問題で断ち切ったことになる。
少なくとも『暴力批判論』を書く1921年くらいまでの時期、ベンヤミンは極めて左派的なスタンスをとっていることになる。

(ちなみにローザについてのレーニンのまとまった言及は「ユニウスの小冊子について」がある)


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