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衝撃だった。全然知らなかった。

 新崎盛暉『未完の沖縄闘争 沖縄同時代史別巻●1962~1972』に次の記載があった。1969年2・4ゼネストとその封殺を総括する文章のなかにあった。
「また石田郁夫氏は、いくつかの雑誌のルポのなかで、全軍労と同じく布令によってストを禁止されているにもかかわらず平然として長期間のストライキを続けた軍港湾労の事務所に、『連帯を求めて孤立をおそれず、力およばずして倒れることを辞さないが、力つくさずしてくじけることを拒否する』という言葉が大きく掲げられていることを伝えている。基地労働者が、この言葉をみずからの言葉として選びとったという事実の与える衝撃はあまりにも強烈である。」(p376 初出『現代の目』1969年9月号「思想としての沖縄」)
 言うまでもなく彼らが選びとったという言葉は、東大全共闘が安田「解放」講堂に書きつけたものだ。
 軍港湾労という労働組合についてはまったく知らなかった。それにしても壮絶な覚悟だと思う。今まで読んだものにたぶんこの組合の名前は出てこなかったと思う。その後、どうなっていったのだろう? 後に1973年10月に軍港湾労は全港湾に加盟したようだけれども、詳細はよくわからない。いったいどういう組合なのだろう? どうやってこれほどの覚悟を固めていったのだろう。


 それにしても、いまも基地がなくなったら沖縄の経済がどうのこうのという声があったりする。沖縄で出てくるならまだしも、本土でもある。そんな声をこの軍港湾労の労働者たちが聞いたらどう思うだろう。

 上記の石田郁夫のレポートののち、全軍労は沖縄返還ムードの中で激しくたたかいつづける。
 1969年佐藤・ニクソン共同声明で沖縄「返還」の具体的な日程が決まり、米軍基地の再編・合理化が激しく進み始める。ベトナムでの敗勢とアメリカ経済の弱体化の中で、アメリカは軍の再編・合理化を打ち出していく。そして日本の本土政府が前面に立つことで、沖縄の安定的な支配に心砕く必要がなくなった米軍は、69年12月2400名の解雇通告をかわきりに、72年2月の1629名の解雇通告まで断続的に基地労働者の首切りを通告してきた。
 それに対して全軍労はさまざまにたたかい続け、そして72年3月7日解雇撤回などを要求して10日間のストライキに突入。要求が実現しないまま7日間延長され、3月24日、無期限ストライキに突入していった。新崎は「凄惨な様相を帯びた」というような言い方をしていた。
 結局、無期限ストは、「”泥沼化”をおそれる全軍労執行部三役の一方的指令によって4月10日、35日間で打ち切られることになった」(新崎前掲p519、あるいは「沖縄戦後史」(岩波新書))。
 これはただ「首切り反対」を掲げたストライキではなかった。全軍労の闘争方針は、基本的に「生活保障のない首切りに反対」ということであったが、このストライキの前年71年秋の全軍労大会では72年闘争方針に「基地撤去」を明記した。それは「基地撤去闘争をもっとも有効にたたかうためにあえて基地に踏みとどまろうとしていたのであった。」(新崎前掲p519)
 本土復帰運動は、もともと「憲法9条の、平和憲法のもとの日本に復帰する」というものだったが、徐々に日米の沖縄返還が米軍基地を再編・合理化しつつ維持するものだとはっきりしてくるなかで、「反戦復帰」の色彩を強めてくる。基地がそのままにされる「沖縄返還協定批准阻止」を復帰協が掲げざるを得ない状況が明白になってくる。
 そして米軍基地撤去闘争のもっと強力な力として全軍労があらわれてくる。

 ストライキのさい、全軍労内部では、「このストライキの成果は海の向こうのベトナムであらわれる」という主張が強まってきていたという(「沖縄戦後史」)。そして全軍労の無期限ストライキ突入と軌を一にするかのように南ベトナムでは、アメリカの敗北を決定づける1972年3月春季大攻勢がはじまる。


 沖縄の基地がなくなったら、沖縄の人の生活は大変じゃないですか?
 その問いには、もう40年も前に、基地に最も生活を依存させられてきた基地労働者が血を吐くような思いで決着をつけている。


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