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 8月12日、シャーロッツビルでファシスト(ネオナチ、白人至上主義者、人種主義者を含む)が抗議する人々の中に車で突っ込み、女性一人を轢き殺した。
 今年4月、シャーロッツビル議会が独立戦争時の南軍のリー将軍の像を公演から撤去することを決定。現在係争中。南北戦争時代の南軍側支持が白人至上主義と結びつく傾向が強くあるためリー将軍の像に類するようなものの撤去があちらこちらで進んでいるという。
 そしてこうした流れに対して、「白人至上主義者の側には「自分たちの象徴が潰されようとしている」ものと映る。実際シャーロッツビルでも先月すでに人種差別団体KKK(クー・クラックス・クラン)が抗議のデモを行うという動きがあったが、しかしこのときの参加者は30名ほどにとどまり、抗議のために集まったカウンター約1000人に圧倒される結果となった(なおKKKは白の頭巾を被った姿に象徴されるようにそもそも素性を隠して活動することが基本で、こうした形でデモを行うということはそもそも珍しい)」(アメリカ・シャーロッツビルに白人至上主義者が集結 その背景と経緯、そして今後 明戸隆浩)

 そこで白人至上主義者が全米に呼びかけるファシスト大衆運動の登場となった。

 それ以降、大統領ドナルド・トランプが発言を二転三転させるなか、彼が組織した二つの諮問機関が辞任、解散。危機に直面する中でバノンの解任に進んできている。


 三つの焦点がある。

 一つは共和党内部や財界からも強い非難が突きつけられるなかスティーブン・バノン首席戦略官兼大統領上級顧問を8月18日付で解任。トランプ大統領の政権の崩壊の可能性が浮かび上がってきていること。

 もう一つはファシズムとそれに対する抵抗運動の動き。
「【8月20日 AFP】米北東部マサチューセッツ(Massachusetts)州ボストン(Boston)で19日、白人のナショナリストらが集会を開いた。これに対抗して警察の推定で4万人に上る反人種差別主義者のデモ隊が通りを埋め尽くし、ナショナリストの集会を圧倒した。」
「極右グループによるいわゆる「フリー・スピーチ(言論の自由)」集会はボストンで19日午後2時(日本時間20日午前3時)まで行われる予定だったが、終了予定時刻の30分前には警察官らが数十人程度とみられる同集会の参加者に付き添って、反人種差別主義デモ参加者の大群衆を抜けて安全な場所へ移動させた。
 上空から撮影された写真では、ボストンの主要道路は数ブロックにわたって反人種主義の人々で埋め尽くされていた。ボストンの警察は、デモには推定で約4万人が参加し、傷害や警察官への不法接触、治安を乱す行為などで27人を逮捕したと発表した。群衆管理の専門訓練を受けた部隊が、2つのデモ隊が接触しないように分離して秩序の維持に当たったという。」(ボストンで4万人の反人種主義デモ、ナショナリストの集会を圧倒AFP)

 シャーロッツビルの犠牲者の母親の集会でのスピーチをふくめ、その情景は感動的ですらある。トランプ登場直後のイスラム入国禁止命令に対して膨大な人々が国際空港に詰めかけた光景は胸をうった。「アメリカ人には『正義』という言葉が生きているんだ」と思った。


 しかし、トランプの登場は、アメリカの矛盾と対立を目に見える形に押し上げ、激化させた。白人至上主義者やネオナチはトランプ支持層の一部でもある。確かにトランプ支持層はウォール街の巨大金融資本や多国籍企業によって食い物にされてきた人々ではある。だからシャーロッツビルの衝突の後に「対立すべきではない人々が対立させられている。その背景をみるべきだ」という意見もある。もっともな意見でもあるけれども衝突は激しくなるだろうと思う。
 1930年代、日本では厳しい凶作・飢饉が農村に広がったことは社会を変えようとするエネルギーの源になった。小作運動・農民運動が台頭し激しさをました。しかし一方でそのエネルギーは2.26事件としてファシズムの突出した軍事行動の背景にもなった。ドイツでも没落する中間層は共産党とナチスの間で揺れ動いた。

 トランプを登場させた人々はいまトランプに苛立ちを覚えているのではないか。ジリジリしながらお前が言ったことをやれよと言っているのではないか。

 トランプがこの支持層に擦りよる形でより白人至上主義を鮮明にさせることだってありえなくはない。またネオナチ、白人至上主義、人種主義者たちが巻き返しをかけて激しく暴力的に突出することだってありえなくはない。


 いずれにしても8.12シャーロッツビルは一つのターニングポイントになるのではないかと思える。

 もう一つ注目に値するかもしれないと思うことがある。
 いまどうやらアメリカはその建国の理念が再び揺れ始めているのではないか、ということだ。


 シャーロッツビルの衝突の発端が南軍のリー将軍像の撤去決定に抗議するファシストの一つのシンボルが南部連合の旗だった。
 南北戦争はアメリカにおける市民革命の位置を持っている。ファシストの主張は極端化するならば南北戦争の否定であり、思想的には南北戦争のやり直しと南軍勝利を求めるものにつながる。
 同時に反ファシズム運動の側でもこの間、ジョージ・ワシントンやトマス・ジェファーソンの像を公然と実力で引き倒すような動きが始まっている。トマス・ジェファ-ションは言うまでもなくアメリカ独立宣言の起草者の一人であり、彼自身は奴隷制廃止を独立宣言に盛り込もうともした。しかしそれは南部諸州の反対にあい、削除された。
「我らは以下の諸事実を自明なものと見なす.すべての人間は平等につくられている.創造主によって,生存,自由そして幸福の追求を含むある侵すべからざる権利を与えられている。」と唱いあげたが、そこには先住民は含まれず、黒人奴隷も除外された。トマス・ジェファーソン自身大奴隷主だった。アメリカ建国のはじめからはらまれていた矛盾を問い直している。
 独立戦争と南北戦争。アメリカの建国の歴史的権原をなす二つの戦争とその価値観とシンボルが激しく揺れ始めている。
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